猫は平均1日約15時間眠り、レム睡眠と深睡眠からなる睡眠サイクルを持ちます。研究により猫にも人と同様のレム睡眠が確認され、夢を見る可能性が高く、特に学習量の多い子猫ほどレム睡眠が多いとされます。夢の内容は狩りや日常の出来事に関連すると考えられ、悪夢を見ている可能性も示唆されていますが科学的確証はありません。レム睡眠中のピクピクした動きや小さな鳴き声、いびきは一般的で心配不要です。一方、全身のこわばりや著しい元気消失、食欲不振、嘔吐などが同時に見られる場合は獣医相談が推奨されます。深い眠りを確保するため、静かで安心できる休息環境を整えることが大切です。
猫は夢を見るのか?知っておきたい睡眠サイクルと寝ているしぐさの意味
猫たちは、ほとんどの時間を眠って過ごしているように見えます。だからこそ、「猫は夢を見るのかな?」とついつい気になってしまいませんか?
ここでは、私たちピュリナと一緒に、猫が眠りの世界へ入ったときにどんなことを考えているのかをご紹介します。
猫は“お昼寝の達人”としてよく知られています。人の膝の上で丸くなったり、お気に入りの隠れ場所でひっそり休んだりしながら、一日の大半を眠って過ごしているように見えます。実は猫は人の2倍も眠り、1日平均15時間 眠るといわれています。とても疲れている猫の場合、24時間ずっと眠っていることさえあるのです。
これだけ長い時間を眠っているのですから、私たちと同じように夢を見たり、悪夢を見ることがあっても不思議ではありません。
では、それは本当なのでしょうか?
ここから先では、猫が夢を見るのか、そして寝ているときにピクピク動くのは何を意味するのかをご紹介します。
夢はどんなときにみるのか?
人の場合、夢は眠りについてからおよそ90分後に始まる レム睡眠(REM睡眠) の状態で現れます。
この時、脳には学習や記憶にとって重要なさまざまな信号が送られていますが、その中にはランダムな信号も含まれています。
これらのランダムな信号こそが「夢」を引き起こす原因です。
脳は送られてくる信号を解釈しようとし、それらをつなぎ合わせて意味を作ろうとします。
その結果、脳の中で“ひとつの物語”のようなものが生まれます。
これこそが、私たちが見る夢なのです。
猫は夢を見るの?
はい、猫も夢を見ると考えられています。
1960年代にミシェル・ジュヴェ(Michel Jouvet)が行った研究によると、猫も私たちと同じく レム睡眠(REM睡眠) を経験します。そのため、人間と同じように夢の世界に入っている可能性は非常に高いとされています。
ミシェル・ジュヴェは、猫の脳内で人間のレム睡眠と同じ特徴──低電圧の脳活動、眼球のピクピクとした動き、筋肉がゆるんだ状態──が見られることを証明しました。
これだけでは「猫が夢を見るかどうか」を完全に説明するものではありませんが、眠っている間に猫の脳内で何らかの活動が起きている ことは確実だと示唆しています。
興味深いことに、猫が経験するレム睡眠の量は加齢とともに減少します。
そのため、子猫のほうが成猫よりも夢を見る可能性が高い と考えられています。
子猫は学ぶべきことが多く、処理すべき情報が大量にあるため、脳へ送られる信号も多くなるのが理由の一つとされています。
猫はどんな夢を見ているの?
獣医神経学者のエイドリアン・モリソンによると、猫がレム睡眠に入ると、何かを目で追ったり観察したりしているように頭を動かすことがあるそうです。
そのため、丸くなって眠っているとき、猫はおそらく大好きな狩りの夢を見ている可能性が高いと考えられています。
アメリカの研究では、犬がその日の出来事や過去の出来事を夢に見ると言われているのと同じように、猫もその日あったことや過去の印象的な出来事を夢にしているかもしれないとも示されています。
たとえば、
・ 飼い主とソファで寄り添った時間
・ 鳥やネズミを追いかけた経験
・ 他の猫や犬との出来事
などを夢に見ている可能性があります。
猫は悪夢を見る?
猫が悪夢を見る可能性はあります。
ただし、猫が夢を見ることは強く示唆されているものの、悪夢を見るかどうかについてははっきりした科学的証拠はありません。
とはいえ、経験的には悪夢を見て飛び起きる猫がいるという報告が多くあります。
Petful※のライター、T.J. バンクスによれば、彼女と暮らす保護猫はときどき、深い眠りから突然目を見開いて飛び起き、怖がっている様子を見せたそうです。また、過去にトラウマとなる経験をした猫が、睡眠中に不安そうな声を出したり、苦しそうに目を覚ましたりするという例も報告されています。
※Petful(ペットフル):ペットの健康・安全・フードなどに関する情報や、ペット用品のレビューを提供する米国発のペット情報メディア。専門家の知見や実体験に基づいた記事を発信。
猫の睡眠サイクル
猫の睡眠サイクルは、レム睡眠(REM)、深睡眠という2つの段階で構成されています
1. レム睡眠
猫がもっとも夢を見やすいのがこの段階です。
レム睡眠中の猫は、小さく鳴いたり、目や耳、しっぽがピクピク動くなどの行動を見せることがあります。
こうした動きがある一方で、筋肉の力が抜ける「筋弛緩(アトニア)」という状態にもなります。
2. 深睡眠
深睡眠は、猫が眠っている時間のうち、レム睡眠以外の大部分を占める段階です。
この睡眠は、体の修復や再生を行うために非常に重要な時間 とされています。
猫が熟睡できるよう、起こさないようにすることが大切です。できるだけゆっくり休ませてあげましょう。
特に深い眠りに入れるよう、猫が安心してくつろげる 静かで居心地の良い場所 を用意してあげるのがおすすめです。
なぜ猫は眠っているときにピクピク動くの?
猫が眠っている時に、体がピクッと動いたり、伸びをしたり、いびきをかいたり、時には小さく鳴くような音を出したりすることがあります。まるで悪夢を見ているように見えるかもしれませんが、これらはレム睡眠に伴う一般的な反応で、心配する必要はほとんどありません。
睡眠中のピクピクした動きは、多くの場合、夢を見ている間に脳へ送られている信号の影響だと考えられています。
一部の飼い主は「けいれんではないか」と心配することがありますが、睡眠中にけいれんが起こる可能性は非常に低く、もし起こるとすれば、
- 体全体がこわばる
- 極端な元気のなさ
- 食欲の低下
- 嘔吐
などの追加の症状がみられます。
こうした症状が同時に出ている場合は、できるだけ早く獣医師に診てもらうことが重要です。